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佐藤 哲也; 浅井 雅人; Borschevsky, A.*; Beerwerth, R.*; 金谷 佑亮*; 牧井 宏之; 水飼 秋菜*; 永目 諭一郎; 長 明彦; 豊嶋 厚史; et al.
Journal of the American Chemical Society, 140(44), p.14609 - 14613, 2018/11
被引用回数:27 パーセンタイル:69.46(Chemistry, Multidisciplinary)第一イオン化エネルギー(IP)は、原子の価電子軌道に関する情報を与える。99番元素アインスタイニウムよりも重いアクチノイドのIPは、一度に一つの原子しか扱うことのできない実験の難しさから、これまでに実験的に測定された例はなかった。我々は表面電離法を応用した新しい測定手法により、103番元素ローレンシウム(Lr)のIP測定に成功し、Lrが弱く束縛された最外殻電子をもつことを強く示唆する結果を得た。一方、Lrとは対象的に、102番元素ノーベリウムは充填された5f軌道および7s軌道をもつために、アクチノイド中最高のIPをもつと考えられている。表面電離法によるIP決定法をNoおよび100番元素フェルミウム, 101番元素メンデレビウムに適用することにより求められた各IPから、5f軌道への電子の充填に伴ってIPが単調に増加し、Noで最も大きくなることを確かめることができた。このことから、f軌道に電子が充填され、アクチノイド系列がLrで終わることを実験的に確かめた。
Henning, G.*; Khoo, T. L.*; Lopez-Martens, A.*; Seweryniak, D.*; Alcorta, M.*; 浅井 雅人; Back, B. B.*; Bertone, P. F.*; Boilley, D.*; Carpenter, M. P.*; et al.
Physical Review Letters, 113(26), p.262505_1 - 262505_6, 2014/12
被引用回数:34 パーセンタイル:83.14(Physics, Multidisciplinary)殻効果によって安定に存在する超重核であるNoの核分裂障壁の高さを実験的に決定した。核反応で生成したNoからの脱励起線の本数と全エネルギーを測定することで崩壊の開始点の励起エネルギーとスピン値を導出し、その分布から核分裂障壁の高さをスピンの関数として19まで決定した。Noの核分裂障壁の高さは、スピン15において6.0MeV、スピン0における外挿値として6.6MeVと決定された。この結果は、殻効果が、このような重い原子核の核分裂障壁を高くしていることを明確に示し、またその高さが高スピン状態まで保持されていることを証明するものである。
Henning, G.*; Lopez-Martens, A.*; Khoo, T. L.*; Seweryniak, D.*; Alcorta, M.*; 浅井 雅人; Back, B. B.*; Bertone, P. F.*; Boilley, D.*; Carpenter, M. P.*; et al.
EPJ Web of Conferences, 66, p.02046_1 - 02046_8, 2014/03
被引用回数:3 パーセンタイル:69.82(Physics, Nuclear)初期状態分布法によりNoの核分裂障壁の高さを決定した。初期状態分布とは、核融合-粒子蒸発反応によって励起された原子核が線放出による脱励起を開始する励起エネルギーとスピンの状態を二次元で表示したものであり、線多重度と全線エネルギーの測定から求めることができる。本論文では、初期状態分布法の詳細を詳しく記述し、Noの核分裂障壁の高さを初めて決定した実験結果について報告する。なお、Noは核分裂障壁が測定された最も重い原子核である。
上野 馨
化学, 31(12), p.978 - 980, 1976/12
ノーベリウムが溶液中でII価の酸化状態を取ることを実記するために、溶媒抽出およびイオン交換法が用いられた。ノーベリウムの挙動はアルカリ土類金属に似ていて、II価のアクチノイドと異なることが明らかとなった。これらの結果を基に、酸性溶液中ではII価が最も安定であると結論された。この総説は主として1974,1975年の論文をまとめたものである。
佐藤 哲也; 浅井 雅人; 金谷 佑亮; 塚田 和明; 豊嶋 厚史; Vascon, A.; 武田 晋作; 水飼 秋菜*; 永目 諭一郎; 市川 進一; et al.
no journal, ,
表面電離過程におけるイオン化効率の第一イオン化エネルギー(IP)依存性を利用して、102番元素ノーベリウム(No)のIPを初めて実験的に決定した。実験ではまず、原子力機構タンデム加速器からのビーム照射により生成した短寿命同位体を用いて、イオン源温度2800Kおよび2900Kについて、5.5eV7eVの範囲でIP決定が可能なIP-イオン化効率相関曲線を取得した。次にNoのイオン化効率を求めたところ、2900Kのとき0.8%、2800Kのとき0.6%だった。得られたイオン化効率に相関曲線を適用することにより、NoのIPを6.6eVと求めることができた。本実験値は、これまで軽いアクチノイド元素からの外挿により見積もられたNoのIP値6.65eVとよく一致した。
佐藤 哲也; 浅井 雅人; 金谷 佑亮; 塚田 和明; 豊嶋 厚史; 武田 晋作; 水飼 秋菜*; 永目 諭一郎; 市川 進一; 牧井 宏之; et al.
no journal, ,
原子番号が100を超える元素は、一度の実験操作に原子1個ないし数個しか利用できないため、従来法による第一イオン化エネルギー(IE)測定は非常に難しい。本研究グループでは、高温の金属表面で起きる表面電離過程に着目し、イオン化効率の第一イオン化エネルギー(IE)依存性を利用することで、102番元素ノーベリウムのIEを初めて実験的に決定した。得られた実験値は、アクチノイド元素の系統性から類推される値と、よく一致した。
佐藤 哲也
no journal, ,
表面電離イオン化過程におけるイオン化効率は、イオン化を担う金属表面の温度や仕事関数、そしてイオン化の対象となる原子の第一イオン化エネルギーに依存することが知られている。我々はこの関係を利用して、重アクチノイド元素ノーベリウム(No, =102)およびローレンシウム(Lr, =103)のイオン化エネルギーを決定した。NoおよびLrのイオン化エネルギーは、低生成断面積・短寿命のためにこれまで測定された例がない。Lrについて得られた実験値は相対論効果の影響を考慮した最新の理論計算値とよく一致した。Noの実験値は、他のアクチノイド元素から類推される値とよく一致した。
佐藤 哲也
no journal, ,
表面電離イオン化過程におけるイオン化効率は、イオン化を担う金属表面の温度や仕事関数、そしてイオン化の対象となる原子の第一イオン化エネルギーに依存することが知られている。我々はこの関係を利用して、重アクチノイド元素ノーベリウム(No, Z = 102)およびローレンシウム(Lr, Z = 103)のイオン化エネルギーを決定した。NoおよびLrのイオン化エネルギーは、低生成断面積・短寿命のためにこれまで測定された例がない。Lrについて得られた実験値は相対論効果の影響を考慮した最新の理論計算値とよく一致した。Noの実験値は、他のアクチノイド元素から類推される値とよく一致した。
佐藤 哲也
no journal, ,
第一イオン化エネルギー(IE)を実験的に決定することにより、対象の原子の電子構造に関する知見を得られることが期待できる。我々は、表面電離過程におけるイオン化効率()のIE依存性を利用して、102番元素ノーベリウム(No)と103番元素ローレンシウム(Lr)のIEを決定することに成功した。実験には、Cm (C, 4n) Cf (B, 4n)反応によって合成されるNo ( = 24.5 s)およびLr ( = 27 s)を用いた。核反応生成物は、表面電離型イオン源を用いてイオン化し、質量分離後に捕集されたイオンを放射線測定して、を決定する。イオン源温度2800 Kにおいて、NoおよびLrを、それぞれ0.5 0.1%および36 7%の効率でイオン化することに成功した。求めたイオン化効率から得られたNoとLrのIEは、理論的に予想される値と非常によく一致した。
佐藤 哲也; 浅井 雅人; 金谷 佑亮*; 塚田 和明; 豊嶋 厚史; 水飼 秋菜*; 武田 晋作*; Vascon, A.*; 阪間 稔*; 佐藤 大輔*; et al.
no journal, ,
第一イオン化エネルギー(IP)は、原子の価電子軌道に関する情報を与える。99番元素アインスタイニウムよりも重いアクチノイドのIPは、一度に一つの原子しか扱うことのできない実験の難しさから、これまでに実験的に測定された例はなかった。最近、我々は表面電離法を応用した新しい測定手法により、103番元素ローレンシウム(Lr)のIP測定に成功し、Lrが弱く束縛された最外殻電子をもつことを示唆する結果を得た。一方、Lrとは対象的に、102番元素ノーベリウムは充填された5f軌道および7s軌道をもつために、アクチノイド中最高のIPをもつと考えられている。今回、Noおよび100番元素フェルミウム、101番元素メンデレビウムのIPを決定したところ、5f軌道への電子の充填に伴ってIPが単調に増加することを確かめることができた。
佐藤 哲也
no journal, ,
第一イオン化エネルギー(IP)は、原子の価電子軌道に関する情報を与える。99番元素アインスタイニウムよりも重いアクチノイドのIPは、一度に一つの原子しか扱うことのできない実験の難しさから、これまでに実験的に測定された例はなかった。最近、我々は表面電離法を応用した新しい測定手法により、103番元素ローレンシウム(Lr)のIP測定に成功し、Lrが弱く束縛された最外殻電子をもつことを示唆する結果を得た。一方、Lrとは対象的に、102番元素ノーベリウムは充填された5f軌道および7s軌道をもつために、アクチノイド中最高のIPをもつと考えられている。今回、Noおよび100番元素フェルミウム、101番元素メンデレビウムのIPを決定したところ、5f軌道への電子の充填に伴ってIPが単調に増加することを確かめることができた。
佐藤 哲也; 浅井 雅人; 金谷 佑亮*; 塚田 和明; 豊嶋 厚史; 水飼 秋菜*; 武田 晋作*; Vascon, A.*; 阪間 稔*; 佐藤 大輔*; et al.
no journal, ,
第一イオン化エネルギー(IP)は、原子の価電子軌道に関する情報を与える。99番元素アインスタイニウムよりも重いアクチノイドのIPは、一度に一つの原子しか扱うことのできない実験の難しさから、これまでに実験的に測定された例はなかった。我々は表面電離法を応用した新しい測定手法により、103番元素ローレンシウム(Lr)のIP測定に成功し、Lrが弱く束縛された最外殻電子をもつことを強く示唆する結果を得た。一方、Lrとは対象的に、102番元素ノーベリウムは充填された5f軌道および7s軌道をもつために、アクチノイド中最高のIPをもつと考えられている。表面電離法によるIP決定法をNoおよび100番元素フェルミウム、101番元素メンデレビウムに適用することにより求められた各IPから、5f軌道への電子の充填に伴ってIPが単調に増加し、Noで最も大きくなることを確かめることができた。
佐藤 哲也
no journal, ,
第一イオン化エネルギー(IP)は、中性原子から価電子軌道の電子をひとつ取り除くために必要なエネルギーであり、最外殻電子軌道に関する情報を与える。最近、我々は表面電離法を用いることにより、103番元素ローレンシウムの単一原子レベルでのIP測定に初めて成功した。得られた実験値は、Lrがアクチノイド元素の中でもとりわけIPが小さく、閉殻構造に電子が一つ弱く結びついていることを示すものだった。次のステップとして、102番元素ノーベリウム(No)における閉殻構造を実験的に確認するため、100番元素フェルミウム(Fm)、101番元素メンデレビウム(Md)およびNoの測定に、同手法を適用した。その結果、実験的または半経験的に推定されている値とよく一致した。得られたIP値は、Noまで原子番号とともに増大し、Lrで劇的に小さくなった。同様の傾向がランタノイド終端でも見られることから、本実験結果から、Noにおいて軌道が満たされることを示すと結論できる。